国際レコード産業連盟(IFPI)が,オンラインの違法ファイル交換に関して,2100件を超える訴訟を申請した。IFPIがスウェーデンで現地時間11月15日に明らかにしたもの。欧州,アジア,南米の5カ国が新たに訴訟対象となっているという。

 今回IFPIが提訴したのはスウェーデン,スイス,アルゼンチン,香港,シンガポールに居住する,主に20~30才の男性。音楽ファイルなどを違法に交換したとして,3000ドル以上の罰金を要請している。

 IFPIは2004年3月から違法ファイル交換取締キャンペーンを展開しており,今回が4度目の摘発となる。これまで米国を除く16カ国で3800件を超える訴訟を起こしたという。IFPIがターゲットとしているのは,「FastTrack (Kazaa)」「Gnutella (BearShare)」「eDonkey」「DirectConnect」「BitTorrent」「WinMX」「SoulSeek」などの違法なピア・ツー・ピア(PtoP)ネットワークを使用するユーザー。

 「今回新たに5カ国が訴訟対象に加わったが,これらの国々で海賊行為が高い割合で行われていることを反映している」(IFPI会長兼CEOのJohn Kennedy)

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