英国のレコード業界団体British Phonographic Industry(BPI)が6社の英国ISPに対して音楽ファイル交換ユーザーの身元開示を求めていたことについて,英高等法院がBPIの請求を認めた。BPIが英国時間3月11日に明らかにしたもの。

 BPIは,大量の音楽ファイルをピア・ツー・ピア型ファイル交換ネットワークにアップロードした疑いのある31人の氏名と住所を開示するよう要求していた。

 BPIで法務顧問を務めるGeoff Taylor氏は「今回の判決は,法律が及ばないと高をくくって音楽を不正アップロードしているユーザーへの一撃となる」と述べた。

 高等法院の命令により,6社のISPは,14日以内に31人の氏名と住所をBPIに提出しなければならない。BPIは該当する31人に,違法行為を通告する書簡を送り,和解を提案する意向である。和解に応じない場合は,訴訟手続きを取ることになる。

 ちなみにBPIは,2004年10月に,音楽を違法にアップロードした個人を相手取り,第一陣の訴訟を開始した。BPIが3月4日に行った報告によると,26件のうち23件で和解に達しているという。

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