ソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)は,米国の未成年による違法ファイル・ダウンロードに関する調査結果を米国時間5月26日に発表した。それによると,ソフトウエアの違法ダウンロードを行ったことがある小学生(8~12歳)は3%だったのに対し,中・高校生(13~18歳)は33%だった。

 今回の調査は,BSAから委託を受けた米Harris Interactiveが,8~18歳の未成年1183人を対象に,4月14~20日にかけてアンケートを実施したもの。主な調査結果は以下の通り。

・「ソフトウエアのダウンロードは罪ではない」と回答した割合は,小学生の16%に対して,中・高校生が38%,「ソフトウエアのアップロードは罪ではない」としたのは,小学生が18%,中・高校生が37%だった

・小学生の50%が「(違法ダウンロードで)両親に迷惑がかかるのが心配」と答えたのに対して,中・高校生の同様の回答はわずか11%だった

・「店舗もしくはオンラインで購入できるファイルを,無償でダウンロードをした人を知っている」という回答者は,小学生が51%,中・高校生が90%

 「小学生よりも中・高校生の方が,ソフトウエアや音楽といったデジタル・コンテンツのダウンロードを行う傾向が高い。このため,中・高校生の教育を徹底する必要がある」(BSA広報部門バイス・プレジデントのDiane Smiroldo氏)

 ちなみに,著作権法の存在や,インターネットでの違法ダウンロードによる危険性については,小学生中・高校生ほど理解していない。「ソフトウエアの違法ダウンロードに関する法律がある」と知っている割合は,小学生が40%,中・高校生が61%だった。「小学生が中・高校生に成長するに従い,違法ダウンロードに手を染める可能性がある。親や教師は,コンピュータの安全な利用と,知的財産の尊重を子どもに教えるべきだ」(同氏)

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