ソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)は,子供のインターネット利用に関する調査結果を米国時間10月31日に発表した。それによると,ソフトウエアの違法ダウンロードや見知らぬ人とのチャットなど,リスクを伴うインターネット利用は学校よりも家庭のコンピュータで行っている子供が多いという。

 調査は,米Harris Interactiveに依頼して実施したもの。9月10日~14日にかけて,米国の8~18才の子供1556人を対象に行った。

 51%の子供が,「コンピュータの利用に関するルールは,家庭よりも学校の方が厳しい」と答えた。家庭のコンピュータでソフトウエアをダウンロードしたことがある子供は,16~18才のハイティーンは52%,13~15才のローティーンは36%だった。また音楽をダウンロードしたことがある子供は,ハイティーンが52%,ローティーンが38%だった。

 その他のリスクを伴うインターネット利用についても,家庭のコンピュータを使用する子供が多い。具体例を挙げると,「見知らぬ人とのチャット」(35%),「個人情報の提供」(24%),「有害サイトの閲覧」(29%)など。

 また,学校で1人でインターネットを利用することがある子供が15%であるのに対して,家庭ではその割合が62%に達した。

 BSA広報担当副社長のDiane Smiroldo氏は,「両親よりも学校の方が,有害サイトのブロック・ソフトを利用したり,インターネット利用に関するルールを明確にしている。このため子供は学校でできないことを,監視の目が甘い家庭のコンピュータで行っているようだ」と述べる。

 一方で,両親は子供のインターネット利用に関して大きな影響を与えられることも分かった。「どの年齢の子供も,両親のインターネットに関する知識は自分と同程度であり,教師と比べると親の方がインターネットに精通していると述べている。親は子供のインターネット利用を監督しようと思えばできる立場にいる」(Smiroldo氏)

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