米連邦航空宇宙局(NASA)がカリフォルニア州シリコンバレーに構える研究センターAmes Research Centerと米Googleは,さまざまな技術研究開発と取り組みで協力体制を敷くことで,了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に署名した。両者が米国時間9月28日に明らかにしたもの。

 両者は,大容量データ管理や大規模分散コンピューティングのほか,バイオ,情報,ナノテクノロジの融合など,各種分野で協力し,宇宙関連産業の起業家を支援する。

 MOUには,NASAが建設を進めている研究開発および教育施設NASA Research Parkの敷地内に,最大100万平方フィートのGoogle社キャンパスを設置する計画も含まれる。

 NASA Ames CenterディレクタのG. Scott Hubbard氏は,両者の協力による成果の例として,「バイオ,情報,ナノテクノロジの融合から生まれる新しいセンサーや新素材,エンジニアリングの問題についての分析強化,スーパーコンピューティングやデータ・マイニングを活用した地球,生命,宇宙科学の発見などが期待できる」と説明する。また,起業家の宇宙関連プログラムへの参加も促すとしている。

 「例えば,アポロ宇宙飛行から送られてくるさまざまな画像をいつでも好きなときに見られるようになる。これは,両者の協力が,世界をより素晴らしい場所にするための技術の役割を広げる助けになるという,ほんの一例だ」(Google社CEOのEric Schmidt氏)

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