米Akamai Technologiesと米eTouch Systemsは,米航空宇宙局(NASA)のWebサイトでコンテンツ配信システムの構築/運営を行っている。Akamai社が米国時間7月1日に明らかにしたもの。「すい星に金属製の衝突体をぶつける研究プロジェクト『Deep Impact』の影響で予想されるアクセス集中に対応する」(Akamai社)としている。

 Deep Impactでは,直径約1m,長さ約1m,重さ約370kgの銅製衝突体をテンペル第1すい星にぶつけ,その衝撃で飛散した物質などを調査する。「研究者は,衝撃による破片から,すい星の組成や太陽系誕生当時の状況を知る手がかりがつかめるだろう」(Akamai社)。既に探査機本体は7月2日14時7分(EDT:米国東部夏時間)に衝突体を発射済みで,衝突は7月4日1時52分(EDT,日本時間は同日14時52分)の予定。

 NASAは,衝突後の7月4日4時(EDT)と14時(同)に記者会見を開催し,その模様をインターネットで配信する。Akamai社は「7月4日の衝突により,(火星探査計画の)『Mars Rover』のときと同様のアクセス集中が発生する」と見込む。これに対応するため,eTouch社はWebコンテンツ管理システムを,Akamai社はコンテンツ配信システムを提供し,NASAのWebサイトを構築した。

 「当社はeTouch社と協力し,(アクセスが集中しても)画像の多いWebサイトの閲覧や,衝突後に開催される記者会見の視聴を継続して行える環境を作る。eTouch社の優れたコンテンツ管理システムと,当社の世界規模の分散オンデマンド・ネットワークを組み合わせることで,NASAはすい星探索プロジェクトで最高の結果を得ることに集中できる」(Akamai社公共部門担当副社長のKeith E. Johnson氏)

 なお,2004年1月にMars Rover計画で探査機が火星に着陸してから現在までに,2億人がNASAのWebサイトを訪れ,ヒット数は230億を超えた。

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