組み込みソフトウエアを手掛ける米Wind River Systemsは米国時間1月5日,同社が米航空宇宙局(NASA),ジェット推進研究所(JPL)の火星探査1号機「Spirit」に技術提供していたことを明らかにした。

 Spiritは,東部時間3日午後8時35分に無事目標地点に着陸した。Wind River社はSpiritに,リアルタイムOS(RTOS)「VxWorks」の技術を提供している。

 軌道修正と着陸を成功させたSpiritは今後,データ収集や地球との通信など,複雑なミッションを行うことになる。なお,2号機「Opportunity」は,1月24日に火星に着陸する予定という。

 NASAはまた,無人探査機「Stardust」が,ビルト第2彗星(81P/Wild-2)の核から約100キロ地点に到達し,微粒子の採取に成功したと発表している。この微粒子は,太陽系の起源解明につながるものと期待されている。Stardustは,火星と木星の軌道間にあるビルト第2彗星の探査専用に開発され,1999年2月に打ち上げられた。Wind River社によれば,同社のVxWorksは,Stardustの軌道調整,星間物質や彗星物質の採取,地球への帰還,探査機本体から切り離される採取物保管カプセルの着陸などにも利用されている。

 Wind River社創設者のJerry Fiddler氏は,「我々は20年以上にわたって,NASAに協力する栄誉に浴している。当社の安全で信頼性に優れたリアルタイムOSが,さまざまな宇宙探査に役立っていることを大変誇りに思う」と述べている。

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