韓国のSamsung Electronicsが,記憶容量16GビットのNAND型フラッシュ・メモリーを現地時間9月12日に発表した。50nmプロセス・ルールを適用しており,2006年後半に量産を開始する。

 50nmルールを量産品に直接適用するのは「これが業界初」(Samsung社)。同社が独自開発した3次元トランジスタ・アーキテクチャも採用し,164億個のトランジスタを集積した。各トランジスタの厚みは,毛髪の2000分の1という。

 メモリー・セルのサイズは,2004年に60nmルールで開発した8Gビット版NAND型フラッシュ・メモリーよりも25%小さくなり,1ビット当たり0.00625平方μm。セルが小さくなった効果で,セル間のノイズ・レベルも大幅に下がったとする。

 16Gビット版フラッシュ・メモリーを16個実装すると,32Gバイトのメモリー・カードが実現できる。こうしたカードを使えば,新聞なら200年分,MP3音楽データなら8000曲分(680時間分),DVD画質の映画なら20本分(32時間分)をモバイル機器で持ち運べる。

 「新開発の16Gビット版フラッシュ・メモリーは,小型ハード・ディスク装置(HDD)どころかノート・パソコン用HDDの代替品として,モバイル機器分野でNAND型フラッシュ・メモリー市場の拡大をさらに加速する」(同社)

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