オーストラリアの裁判所が,「ファイル交換ソフトウエア『Kazaa』のユーザーは著作権を侵害している」との判断を下したことについて,Kazaaの開発元であるオーストラリアのSharman Networksが「明らかに失望している」とのコメントを,現地時間9月5日に発表した。

 英メディアの報道(Reuters)の報道によると,オーストラリアの裁判所は同日,Kazaaユーザーが著作権を侵害していると判断し,開発元にソフトウエアの修正を命じた。Murray Wilcox判事は,「Sharman Networks社自身は著作権を侵害していないが,世界中の数百万人にのぼるKazaaユーザーに著作権侵害を奨励した」と説明。「被告は,Kazaaが著作権を有するファイルの交換に広く使われていることを,長いあいだ認識していた」(Wilcox判事)

 ちなみに,ファイル交換ソフトウエアを巡る訴訟については,米最高裁判所が6月27日に,「ピア・ツー・ピア(PtoP)ソフトウエアを提供する米Groksterおよび米StreamCast Networksに著作権侵害の責任を課すことが可能」とする判断を示している(関連記事)。

 なお,Sharman Networks社は今回の裁判所の判決を不服として控訴する意向である。「控訴裁では勝つ自信がある」(同社)

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