ストレージベンダーの米3PAR買収をめぐり、米Hewlett-Packard(HP)と米Dellが熱き戦いを繰り広げた。企業のIT支出が回復しつつあるなか、データセンター市場に打って出たい両社は、なんとしても3PARのストレージ事業を手中に収める必要があったようだ。18日間にわたる応酬の結果、米国時間2010年9月2日にDellが手を引き、HPが総額約24億ドルで競り落とした。
今回の買収合戦の経過は次の通り。まず8月16日、Dellが1株当たり18ドルで買収することで3PARと合意。次いで8月23日、HPがDellより33%高い24ドルを提示。これを受けDellは8月26日、24.30ドルへ増額。そこで8月27日、HPは27ドルで対抗。Dellも同日に27ドルを提示したが、その直後にHPが30ドルに引き上げた。そして9月2日、Dellが32ドルを提示したのを受け、HPが33ドルへの引き上げを表明すると、Dellは買収断念を発表した。
3PARは、1999年に設立されたストレージ専業メーカー。シンプロビジョニンングなどのデータ管理機能を備えた仮想環境/クラウド環境向け製品を手がける。米カリフォルニア州フリーモントを拠点とし、従業員は650人。
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