米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2010年8月26日、ストレージベンダー米3PARに対し提示していた買収額を1株27ドルに引き上げたと発表した。米Dellが同日買収額を積み増したことに対抗する措置で、HPが新たに提案した買収総額は18億ドルになる。

 3PARをめぐっては8月16日、Dellが買収することで合意し、1株18ドルで株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表していたが、HPが8月23日にDellより33%高い1株24ドルを提示して対抗した(関連記事:HPも3PARに買収提案、Dellより3割高い金額で)。これを受けDellは8月26日、1株24.30ドルに積み増し、3PARも同日Dellの提案を受け入れると発表していた。今回のHPの再提示額はDellの再提示額よりも11%上回る。

 HPは3PARの高性能ストレージシステムを取り込み、HPのデータセンター向け製品やサービスを強化したい考え。HPのストレージネットワーキング部門上級副社長のDave Donatelli氏は、「我々の提案はDellの提案に勝るだけでなく、3PARとの間で多くのシナジーが期待できると考えている。HPはそれを唯一実現できる企業だ」と述べた。

 一方のDellは、同社のブランド力と世界規模の顧客基盤で、3PARの事業を飛躍的に伸ばせるとしている。2008年に買収したストレージメーカー米EqualLogicの事業が過去3年間で急成長していることを挙げて自信を示している。DellはHPの再提案に対する正式なコメントを出していないが、米メディア(Wall Street Journal)は、同社のDave Johnson上級副社長が「次の段階について検討する」と述べたと伝えている。

[HPの発表資料]
[Dellの発表資料]
[3PARの発表資料]