米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2010年8月23日、米Dellが買収することで合意していたストレージベンダー米3PARに対し、総額16億ドルの買収提案を行ったと発表した。

 3PARを巡っては8月16日、Dellが買収することで合意し、1株当たり18ドルの買収価格で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表していた(関連記事:Dell、ストレージベンダーの3PARを11億5000万ドルで買収へ)。

 今回のHPの提示額は1株当たり24ドルとDellより33%高い金額になる。すでにHPの取締役会で承認されており、3PARの取締役会が受け入れれば、2010年の年末までに買収手続きを完了する見込みとしている。

 HPのストレージ・ネットワーキング部門上級副社長のDave Donatelli氏は、「3PARは、クラウドおよびスケールアウトストレージの市場におけるHPの戦略を加速させる」と述べ、提示額もDellを大きく上回っていることから、HPは3PARにとって最適だとしている。

 米メディア(Wall Street Journal)は、企業のIT支出が緩やかに回復しつつあるなか、パソコン大手のHPとDellはデータセンター市場に注力していると伝えている。

 3PARは1999年に設立したカリフォルニア州フリーモントに拠点を置く企業。従業員数は650人。シンプロビジョニングなどの高度なデータ管理機能を備えた仮想化/クラウドコンピューティング環境向けのストレージ製品を手がけている。Dellは先の買収合意の発表で、「PowerVault」「EqualLogic」「Dell/EMC」といった自社ストレージ製品事業の拡充を図るとしていた。

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