米Dellは米国時間2010年8月16日、ストレージベンダーの米3PARを約11億5000万ドルで買収することで両社が合意したと発表した。同買収により、Dellは仮想化時代に向けたストレージ事業の強化を図り、オープンで統合的なデータ管理手段の提供を推進するとしている。

 Dellは3PARの発行済み普通株すべてを取得する目的で、株式公開買い付け(TOB)を実施する。買収価格は1株当たり18ドル。年内の手続き完了を見込んでいる。買収後も3PARの事業を維持し、エンジンニアリング部門と販売部門に投資する。米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、18ドルという金額は3Par株の8月13日の終値(9.65ドル)を87%上まわる。

 3PARは、1999年に設立された、カリフォルニア州フリーモントに本拠を置く企業。シンプロビジョニンングなどの高度なデータ管理機能を備えた仮想化/クラウドコンピューティング環境向けのストレージ製品を手がけている。同社製品によって、企業はストレージの購入と追加の費用を抑え、消費電力とエネルギーコストを削減できる。

 Dellは、3PAR製品のラインナップにより「PowerVault」「EqualLogic」「Dell/EMC」といった自社ストレージ製品事業を拡充する。直接接続型記憶装置から仮想化環境向けクラスタ型SANにわたるあらゆるストレージ層において革新的なシステムの提供を目指すとしている。

[発表資料へ]