米AMDは7月の初めに,全世界で欧州連合(EU)の有害物質制限規則であるRoHS指令に準拠したプロセサ製品の提供を開始した。AMD社が米国時間7月20日に明らかにしたもの。プロセサの鉛含有量を低減させ,「施行の1年弱前にRoHS指令をクリアした」(同社)。

 RoHS指令は,電子機器を対象とする特定有害物質の使用禁止を定めた指令。EUが2003年2月13日に発効した。鉛,カドミウム,六価クロム,水銀,ポリ臭化ビフェニール(PBB),ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)という有害物質6種類の使用を制限している。2006年7月1日に施行する。

 同社が提供を開始したRoHS指令準拠プロセサ製品系列は,「AMD Opteron」「同Athlon 64」「同Athlon 64 X2」「同Athlon 64 FX」「同Turion 64 Mobile Technology」「同Sempron」。チップセットについては,既に「AMD-8111」「同-8131」「同-8132」「同-8151」といった準拠品が利用可能となっている。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,米Intelは現行のプロセサ製品で約0.2gの鉛を使用しているが,同社環境/健康/安全部門持続可能開発担当ディレクタのTimothy Mohin氏は「5年以内に完全な無鉛化を達成できる見込み」と述べた。それに対しAMD社は,無鉛化の見通しを示していないという。

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