米Intelが,鉛の使用量を約95%削減したプロセサとチップセットを2004年後半より出荷すると4月7日に発表した。無鉛化技術で製造した一部のマイクロプロセサとチップセットの出荷を2004年第3四半期に始める。またIntel社は,無鉛版の組み込み用IAプロセサを2004年第2四半期に出荷する。

 プロセサやチップセット用の新しいパッケージFlip Chip Ball Grid Arrayには,塩の結晶ほどの大きさの無鉛はんだボールを使う。さらに同パッケージは,ズス/銀/銅の合金でパッケージとマザーボードを接続する。

 「当社は2003年に数100万個の無鉛フラッシュ・メモリー部品を出荷した。当社が大量に販売しているプロセサとチップセットでも,無鉛化に向けて大きく前進できる」(技術&製造グループ製造技術開発担当副社長兼ディレクタのNasser Grayeli氏)

 ただし同社によると,半導体のコアとパッケージを接着するために,パッケージ内でまだ約0.02gの鉛/スズ合金を使用しているという。「当社は業界と協力し,この問題を解決できる確実な方法を検討する」(同社)

 また米National Semiconductorは同日,2004年中に同社の全IC製品で無鉛パッケージを採用すると発表した。さらに同社は,臭素とアンチモンを使った難燃剤の使用も大幅に減らすという。

 現在同社は,1万5000種類あるIC製品の約90%で無鉛パッケージを用意している。リードフレーム・パッケージ内で使用する鉛をスズに,はんだボールの鉛をズス/銀/銅合金に替えることで無鉛化を実行することで,「年間約5トンの鉛の使用を止められる」(同社)。

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[発表資料(Intel社)]
[発表資料(National Semiconductor社)]