米Keynote Systemsは米国時間7月12日,VoIPプロバイダ6社のサービス品質について調査した結果を発表した。それによると,サービス全般において最も評価が高かったのは米Vonageだった。

 調査は5月~6月の5週間にかけて,米AT&T ,米Packet 8,米Primus Lingo,米SkypeOut,米Verizon,米Vonageの6社のサービスを対象に実施したもの。サンフランシスコとニューヨーク間を,VoIP回線から普通回線へ,普通回線からVoIP回線へと電話をかけたほか,ローカル・ループVoIPと公衆電話交換網(PSTN)間でも通話して実験を行った。サービスの可用性,サービスの停止時間,接続を確立するために電話をかけた平均回数,通話の途切れ,音声の遅延,音声品質,“ラスト・マイル”の通話品質など10項目について分析した。

 Vonage社は100ポイント満点の80ポイントを獲得し,全般的な信頼性が最も高かった。一方,音声品質が最も優れていたのはAT&T社だった。ただしKeynote Systems社は,Vonage社については通話の途切れに関して改善の余地があり,AT&T社のサービスでは地域によって音声の遅延にばらつきがあると指摘する。

 「VoIPが一般消費者になかなか普及しないのは,信頼性と音声品質に課題があるからだ。消費者は,従来の電話と同じサービス・レベルをVoIPに期待してよいものか,確信が持てないでいる」(Keynote社サービス・レベル・ソリューション担当上級製品マネージャのDharmesh Thakker氏)

 また調査から,VoIPを支えるネットワークも,サービスの信頼性と音声品質に大きな影響を与えていることが分かった。「ネットワーク事業者では,米Time Warner社傘下のTime Warner Cableが最も信頼性が高かった」(同社)

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