米eMarketerは米国時間5月10日,米国におけるVoIPの利用状況について調査した結果を発表した。それによると,米国家庭の広帯域接続がVoIP導入を後押ししており,2006年には普及スピードが一気に高まる。

 現在VoIPを導入している家庭は少なく,2005年末にVoIPを利用している見込み世帯数は280万~670万世帯だ。これが5年後には,2700万世帯に達する見通しだという。

 eMarketer社上級アナリストのSteve Butler氏は,「消費者や企業がVoIPへ移行するのに時間はかかるが,初期導入段階から主流へと確実に移行している。VoIPは今後2年間に,大きな転換期を迎えるだろう」と予測する。

 ちなみに,米Atlantic-ACMは米国VoIPサービスの売上高が,2003年~2009年にかけて年平均64%で成長し,204億ドルに達すると予測している。また米Gartner Groupは,消費者向けVoIPサービスの支出が2005年の19億ドルから2008年には95億ドルに増加するとみる。

 Butler氏は,「米国家庭におけるVoIPの普及に貢献しているのは、広帯域接続の増加だ」と説明する。eMarketer社では,今年末までに広帯域接続を利用する米国世帯が,4230万世帯(全世帯数の36.2%に相当)に達すると予測している。

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