米AMDは米国時間6月27日に,x86プロセサの販売活動で独占禁止法に違反したとして,米Intelをデラウェア州米連邦地方裁判所に提訴した。AMD社が6月28日に明らかにしたもの。AMD社は,「Intel社が世界各地で当社の顧客に圧力をかけ,不正に同市場を独占してきた」と主張する。

 AMD社によると,米/欧州/アジア大陸の大手パソコン・メーカー,小規模システム・ビルダー,卸売業者,小売業者といった38社が「Intel社による圧力の犠牲になった」(AMD社)という。

 AMD社の示した,Intel社が行ったとする不正行為の概要は以下の通り。

・米Dell,ソニー,東芝,米Gateway,日立製作所などの大手メーカーに対してIntel社との独占契約を強制。見返りとして,現金の提供,差別的な価格の設定,AMD社製品排除を条件としたマーケティング奨励金の支給を行った

・NEC,台湾Acer,富士通などの大手メーカーに対して,AMD社製品購入の中止または制限を条件にリベート,手当,市場開拓資金を提供し,部分的な独占契約を結んだ

・特に企業向けデスクトップ・パソコンなどの戦略的市場分野にAMD社製プロセサを投入するメーカーに対し,報復措置をほのめかした

 この提訴について,AMD社は「日本の公正取引委員会が3月8日にインテルに対して行った排除勧告に続くもの」と説明する(関連記事)。また欧州連合(EU)の独占禁止法当局である欧州委員会(EC)は,日本の公正取引委員会と連携しながら,Intel社による同様の不正競争行為について調査を進めているという。

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