米Transmetaは米国時間3月31日に,ソニーおよびソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)と戦略的提携を結んだと発表した。マイクロプロセサ向け消費電力管理技術「LongRun2」に関するエンジニアリング・サービスを提供し,次世代コンピュータ/デジタル家電向けマイクロプロセサ「Cell」(開発コード名)製品における同技術の採用拡大を図る。

 ちなみにTransmeta社とソニーは,LongRun2の技術供与に関して,1月にライセンス契約締結している。

 またTransmeta社は,事業再編計画についても明らかにした。高度技術と知的財産のライセンシングを今後の主軸とし,関連するエンジニアリング・サービスを組み合わせる。製品事業の見直しを行い,「Crusoe」および130nm製造技術の「Efficeon」プロセサについては新規供給を行わず,主要顧客向けに90nm製造技術を用いたEfficeonの一部モデルの製造を継続する。

 同社は今回の再編計画について,「x86マイクロプロセサ市場における当社ビジネスの競争力と将来性を厳密に検討した結果の判断だ」と説明した。

 これに伴い,同社はリストラ策の一環として67人を同日解雇した。さらに世界全体で208人を削減する計画である。これにより約600万ドルのリストラ費用を2005年第1四半期に計上する見込み。

 また,同社の新たな社長兼CEOにArthur L. Swift氏が就任した。同氏は米Cirrus Logicのバイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャ,米Sun Microsystemsのマーケティング部門バイス・プレジデントなどを経験し,2003年3月よりTransmeta社マーケティング部門上級バイス・プレジデントを務めていた。同氏は,前社長兼CEOのMatthew R. Perry氏に代わり,3月31日付けで役員会に加わる。

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