米In-Stat/MDRは米国時間4月5日に,米Intelと米AMDのマイクロプロセサに関する調査結果を発表した。それによると,両社の64ビットx86アーキテクチャは,100%近いソフトウエア互換を保っているという。

 同調査では,コントロール・レジスタやシステム・レジスタといったレジスタ・ファイルへの変更をはじめ,新たな命令,修正した命令,削除した命令を比較した。データ・アドレス・モード,コンテキスト切替動作,割り込み処理などのメモリー・アドレス方式や,既存の16および32ビットx86対応実行モードについても調べた。その結果,「Intel社の64ビットx86アーキテクチャは,ほぼすべての点でAMD社のAMD64にならっていることが分かった」(In-Stat/MDR社)。

 いくつかの相違点はあるが,一部は将来の64ビットx86プロセサで解決されるだろう。それ以外については,ソフトウエアでわずかに違うコードを実行することで簡単に調整できると,In-Stat/MDR社はみている。

 In-Stat/MDR社のTom R. Halfhill氏は,「Intel社の64ビットx86プロセサで,AMD64向けに開発された64ビットOSを動作可能にするというIntel社の約束を否定する材料はない。しかし同時に,わずかな相違点が見つかったことから,Intel社が全面的な保証に躊躇していることも理解できる」と述べた。

 またIn-Stat/MDR社は,Intel社が自社の64ビット・アーキテクチャを開発するのに,AMD社が先にリリースしたAMD64関連のドキュメンテーションを読み,AMD64プロセサをテストしたのは明らかだ,と指摘する。「Intel社が行ったAMD64のリバース・エンジニアリングは,両社のこれまでの関係における重要な転換期を意味する。Intel社は1978年にx86アーキテクチャを開発して以来,26年間同アーキテクチャの方向性を定めてきたが,AMD社が初めてその舵を操っている」(Halfhill氏)

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