米In-Statが,米国の家庭向け通信サービス市場に関する調査結果を米国時間6月22日に発表した。それによると,同市場は今後数年にわたって悪化の一途をたどり,2004年に1148億ドルあった市場規模が,2009年には1067億ドルまで縮小するという。

 In-Stat社は市場停滞の要因を,「音声およびダイヤルアップ・サービスの売上高が減少し,拡大中のケーブル・テレビとブロードバンド・サービスを下回るため」と分析する。

 ただし同社は「将来ブロードバンド・サービスは,収益を大きくけん引するようになる」とみる。ブロードバンドの普及率は,2004年の28.6%が,2009年末には50%近くに増えると見込みだ。

 「ダイヤルアップからブロードバンドへの移行は,サービス・プロバイダにとってよいニュースといえる。それは,ブロードバンド・サービスの月額料金がダイヤルアップよりかなり高い状態で推移するからだ。2004年の売上高は,ブロードバンドが137億ドル,ダイヤルアップが109億ドルだった。収入源としてみると,既にブロードバンドがダイヤルアップを追い越している」(In-Stat社アナリストのAmy Cravens氏)

 なお同社は,「2009年には,ブロードバンド・サービスの年間売上高がダイヤルアップより150億ドル以上多くなる」と予測する。

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