財団法人インターネット協会とインプレスは6月29日、国内におけるインターネット利用実態の調査結果「インターネット白書2004」を発表した。2004年2月時点のインターネット利用者数は前年比11.3%増の6284万4000人となった。ただし、今後は伸びが鈍化し、2004年12月の推定利用者数は約6700万人にとどまると予測している。

 インターネット利用状況を世帯別に見てみると、職場のパソコンや携帯電話など何らかの手段で家庭のだれかがインターネットを利用できる割合(世帯浸透率)は78.1%(前年比5.1%増)、自宅のパソコンなどからインターネットに接続できる割合(世帯普及率)は52.1%(3.7%増)となった。世帯普及率が5割を超えたのは、調査以来初めて。

 調査結果で前年と大きく変わったのが、一般家庭でのブロードバンド利用率だ。インターネット利用世帯の48.1%(8.8%増)、利用者数に換算すると2214万5000人が自宅からブロードバンド回線でインターネットに接続している。ブロードバンド利用率を地方別に見ると、最も高い関東地方で50.1%、最も低い四国地方で45.5%となり、地域格差はさほど大きくない実態も明らかになった。

 この結果を受けて、調査・分析を担当したインターネット生活研究所の中島由弘副所長は、「Webサイトに動画を入れるかどうかなどは、インターネットへの接続状況をどう想定するかで判断が分かれていた。ブロードバンド利用世帯が半数を超えたことが分かった以上、急激にブロードバンド用コンテンツの利用が進むだろう」と予想する。

 インターネット白書は、民間調査機関によって1996年から行われてるインターネット利用実態調査の報告書である。インターネット利用人口などは、総務省からも通信利用動向調査結果として毎年発表されているが、双方の結果にはズレがある。総務省によれば、昨年の段階でインターネット利用人口は7730万人と発表している。この点について調査を担当したアクセスメディアインターナショナルは、「調査日時や調査方法、調査対象年齢など基準が異なるため結果は同じにならない」としている。

目次 康男=日経コンピュータ