米DisplaySearchは,2005年第1四半期における10インチ以上の大型液晶ディスプレイ(LCD)TV市場に関する調査結果を米国時間6月13日に発表した。それによると,当期の大型LCD TVの出荷台数は315万台で,前年同期と比べ125%増加した。ただし,前期比では13%の減少である。売上高は前年同期比141%増の41億ドル。前期比では5%減少した。
前年同期からの急成長を後押ししたのは,価格の大幅な減少。大型LCDの製造向けに最適化された工場増加がコスト削減を可能にしたため,主要な20インチ以上のLCD TVの価格が少なくとも20%以上低下した。DisplaySearch社によると,ASP(平均販売価格)が40%も値下がりしたサイズもあったという。
また,LCD TVの平均画面サイズは,前年同期と比べ12%大きい22.6インチだった。とりわけ,30インチ以上のLCD TVの出荷台数が急速に伸び,前年同期比254%増となった。市場シェアも前年同期の15%から23%へと拡大した。
地域別にみると,中国の躍進が目立つ。出荷台数は前年同期比400%増,前期比55%増の20万台。世界市場で占める割合も3.6%から6.4%へと増加した。中国の国内市場では,国産メーカーが67%を占めた。
欧州は,前年同期比188%増の127万台。前期比では8%減少した。世界市場で占める割合は41%で,前期の38%から拡大した。欧州では,コンパクトなテレビが優勢で,薄型製品に対する需要が高いため,今後もLCD TVの需要が増加する見通しである。
北米は前年同期比102%増の64万8000台。前期比では31%減と,最も減少の度合いが大きかった。「前期は小型製品,当期は大型製品と,季節的な需要が異なるため」(同社)という。なお,世界市場における北米のシェアは21%。
日本は前年同期比66%増,前期比17%減の82万4000台。市場シェアは26%で,欧州に次いで2位となった。
メーカー別にみると,シャープがシェア21%で世界市場をリード。2位はオランダRoyal Philips Electronicの10.9%だが,韓国のSamsungが10.8%のシェアを獲得し,僅差で続いた。4位はシェアが10%に減少したソニーだった。
■2005年第1四半期における出荷台数ベースの上位メーカー メーカー 2004年Q4の 2005年Q1の 前年同期比 市場シェア 市場シェア 伸び率 ------------------------------------------------------ シャープ 21.9% 21.0% 82% Philips 14.7% 10.9% 129% Samsung 9.8% 10.8% 109% ソニー 11.0% 10.0% 74% LGE 6.7% 7.3% 57% その他 35.9% 40.0% 216% ------------------------------------------------------ 合計 100.0% 100.0% 125% 出典:DisplaySearch社
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