光ファイバ/ガラス基板大手の米Corningが,世界液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス市場に関する調査結果を米国時間2月4日に発表した。Corning社は,2005年に同市場が前年に比べ40~60%拡大し,2007年までの年平均成長率(CAGR)は40%になると予測する。

 同社技術部門Corning TechnologiesのPeter F. Volanakis氏は「近年のLCDガラス市場は,デスクトップ・パソコン用モニターとノート・パソコンが主な拡大要因だった」と説明する。「液晶テレビがガラス需要における“第3の波”をけん引し,2005年はこれまでにない大きな影響を及ぼす」(同氏)

 2004年時点では,液晶テレビ用ガラス需要は全体の15%だけで,デスクトップ・パソコン用モニターとその他携帯機器が85%あった。Corning社は,2004~2007年における液晶テレビ用ガラスのCAGRを100%弱と見込む。

 テレビ全体に対する液晶テレビの割合は,2004年の5%から,2005年には10%に達し,2007年に約21%になる。「ブラウン管(CRT)テレビの割合は下がり続ける。40インチ型以下のテレビが,LCDにとって最も形状/機能/コストのバランスがとれるサイズであり,この領域でCRTテレビを置き換える主流技術となるだろう」(Volanakis氏)

 ただし,液晶テレビの普及率は地域によって大きく異なるり,季節ごとの需要変動などの影響も受けやすいという。Volanakis氏は,「全世界のテレビ販売のうち,北米以外が75%以上を占める。米国の状況だけにとらわれずに,世界的な需要や傾向に注意するべき」としている。

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