フィンランドのNokiaは現地時間5月25日に,「台湾で初めて」(Nokia社)となる第3世代(3G)携帯電話サービスに関して台湾のTaiwan Mobileとの提携を明らかにした。Nokia社はTaiwan Mobile社のWCDMAシステムの独占サプライヤとしてインフラを供給する。

 Taiwan Mobile社の3Gサービスは同日開始しており,フルサービスの提供は「2005年第3四半期の見込み」(Taiwan Mobile社社長のHarvey Chang氏)。フルサービスでは,各種のモバイル・エンターテインメントやビデオ配信が楽しめるという。Nokia社は準備段階で製品や技術を提供したほか,携帯電話をカスタマイズし,モバイル・コンテンツ開発でも協力した。

 Nokia社は昨年より,Taiwan Mobile社に独占的に3Gネットワーク製品を供給してきた。今後も専門サービスを提供し,3Gサービスの展開を支援するとしている。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,同3GネットワークのバックボーンはLinuxをベースにしている。しかし,Taiwan Mobile社副社長のT.C. Juan氏は,将来の3Gアプリケーション開発にLinuxを基盤とするかどうか不明だと述べる。「数年前,当社はLinuxの採用を決定した。当社は安定したOSを必要としており,それが最良の選択だった。しかし,シェアウエアやLinux対応アプリケーションは,継続したアップグレードおよび改良を行うリソースがない」(同氏)。Taiwan Mobile社は,3Gサービス開始にあたり,多くの部分で国外のベンダーに頼っており,今後のソフトウエア開発と強化では,ますますその依存度が増すものとみられる。

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