米IDCは,米国における携帯電話向け商用ビデオ配信サービスに関する調査結果を米国時間4月18日に発表した。それによると,2009年には米国で3000万人以上が携帯電話で商用映像/TV番組を視聴するようになるという。

 携帯電話での商用映像/TV配信サービスには,ビデオ・クリップ,ショート・ムービー,TV番組のライブ・ストリーミングなどが含まれる。これらサービスが普及するには,加入者がサービスに対応した携帯電話を入手する必要がある。デジタル著作権管理(DRM)や,メディア・プレーヤ・アプリケーションの使いやすさも重要なポイントだ。

 IDCシニア・リサーチ・アナリストのLewis Ward氏は「商用映像/TVサービスは,ネットワーク,携帯電話,コンテンツという点で課題が多く,普及速度が比較的遅いものの,2009年には年間売上高が30億ドルを上回る見込みだ」と述べる。「その頃には,加入者1人当たりの月間平均売上高(ARPU)が10ドル近くに達し,音声サービスに次いで,携帯電話事業の大きな収入源となる可能性がある」(同氏)

 動画やTVなどのコンテンツは,2006年半ばまで,既存の2.5/3Gネットワークを使ったユニキャスト配信のみで提供される。しかし,2006年後半には,米Crown Castle International傘下のCrown Castle Mobile Mediaや,米QUALCOMM傘下のMediaFLO USAによるブロードキャスト/マルチキャスト・ネットワークが登場するため,市場の競争環境は劇的に変化する。

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