米IDCは,世界携帯電話市場に関して調査した結果を米国時間5月9日に発表した。それによると,カラー・ディスプレイやカメラを搭載した携帯電話の需要が増加したことで,2004年の出荷台数は前年比34%増の6億9200万台に達した。2005年も増加するものの,販売地域の大半でペースが鈍化する見込み。

 同社は,2005年の成長鈍化の要因として,「2003~2004年に新規携帯電話の購入が集中したため」と分析する。ただし,新興国や初期加入者などの需要により,成長が止まることはないという。「2005年の出荷台数は前年と比べて2000万台以上増え,増加分の大半は新興国によるもの」(IDC)

 IDCでMobile Devicesプログラム部門アナリストを務めるDavid Linsalata氏は「2004年の出荷台数が6億9200万台を超えたことで,携帯電話市場の土台は強固であるようにみ える。しかし第3世代(3G)携帯電話機の普及が未だ限られているため,今後数年間は複雑な市場環境が生じる」と語る。「市場は2009年までは拡大を続け,ハードウエア/ソフトウエア/サービスのベンダーそれぞれに,重要な好機をもたらす」(同氏)

 ちなみに,2005年の同市場の顧客ベースは約17億人となる見込みで,以後2009年までは増加の一途を辿るという。

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