米Hewlett-Packard(HP)は米国時間5月27日に,政府機関向けのID管理システム「National Identity System(NIS)」を発表した。米Microsoftの「.NET」プラットフォームをベースにする。「政府機関は,セキュリティおよびID管理のニーズの変化に迅速に対応できるインフラを,手ごろな価格で手軽に構築することが可能」(HP社)としている。

 NISは,シンプルなID認証機能を備えるほか,市民が電子政府サービスにアクセスして安全にトランザクションを実行するための最新のシステムを提供する。

 「国内外を移動する市民のID認証は,かつてないほど重要になっている。HP社とMicrosoft社は,政府機関が,実社会および仮想世界の両方で安全なID認証を実施するために必要な統合データを活用できるようにする」(HP社Defense, Intelligence and Public Safety担当世界責任者Jim Ganthier氏)

 NISは,IDシステムや公開鍵インフラ(PKI)など,HP社の電子政府向けフレームワークを装備する。Microsoft社の「Microsoft Server 2003 Enterprise Edition」「BizTalk Server 2004」「SQL Server 2000」「.NET Framework」などと組み合わせる。主な特徴は以下の通り。

・オンラインとオフラインでの統計データおよびバイオメトリクス・データの利用
・中央および地域政府の規定や要件に対応
・多層型アーキテクチャを採用
・書類ライフサイクルを管理
・バイオメトリクやパーソナライゼーション向けのサブシステムを統合
・耐障害性と災害復旧を向上する設計

 ちなみに米Morgan Keeganの調査によると,ID管理市場は現在48億ドル規模で,2007年には107億ドル規模に拡大する見込みという。

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