米IBMが,ID管理を対象とする総合サービス「Integrated Identity and Access Management Service」や,「Tivoli Identity Manager」と他社製品/サービスを組み合わせる物理的セキュリティ・ソリューションを,米国時間10月6日に発表した。

 IBM社の新しいID管理ソリューションは,ユーザー,装置,アプリケーション,ビジネス・プロセスに加え,バイオメトリクス,スマート・カード,入館証リーダーといった物理的なIDシステムを統合し,総合的なID管理を実現する。資産に対するセキュリティを向上するだけでなく,IDおよび物理インフラを一元管理することで,多種多様なアド・ホック・ソリューションに必要なコストも削減できるという。

 Integrated Identity and Access Management Serviceは,同社のソフトウエア,ビジネス・コンサルティング担当者,ビジネス・パートナ製ソリューションを組み合わせて提供するサービス。ID管理ビジネス・プロセスを自動化して管理することで,複雑かつ手間のかかる作業の負荷を軽くする。

 また同社は,米ActivCard,カナダBioscrypt,米ImageWare Systems,米VeriSignの協力を得て,Tivoli Identity Managerをベースとする物理的なセキュリティ・ソリューションの提供も行う。スマート・カード発行者向けの設定,バイオメトリクス情報の登録,PKI証明書の自動処理,ワンタイム・パスワードと強力な認証といった機能を論理的/物理的なアクセスに適用することで,コンピュータ・システム,建物,従業員の安全を確保する。同ソリューションは,2004年第4四半期の終わりごろ利用可能とする。

 そのほかには,指紋リーダー付きノート・パソコン「ThinkPad T42」や,J2EE対応ID管理を集約できる「IBM Tivoli Access Manager」コンポーネントを組み込んだ「WebSphere Application Server Version 6」などにより,「ソフトウエア以外でもID管理ソリューションを活用し,セキュリティ強化とID管理にともなうコスト削減を支援する」(IBM社)。

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[発表資料(概要)]
[発表資料(他社との共同ソリューション)]