米IDCは米国時間5月23日,無線LAN半導体の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場は2004年の12億ドル規模から,年平均21%成長し,2009年には30億ドル規模に拡大する見込み。エンド・マーケットの拡大に伴って出荷数が急増し,2009年に4億8700万個に達する。

 新たな事業機会が期待できる分野は,民生機器やモバイル機器,無線を高速化するMIMO(Multiple Input Multiple Output)といった新技術などである。

 2004年のメーカー別売上高をみると,米Broadcomが前年比44%増で首位を獲得。第2位は米Atheros(前年比95%増),第3位は米Intel(同57%増)だった。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・半導体メーカーは,ゲーム・コンソール,セットトップ・ボックス,デジタルTVなど,量産型の民生機器における無線LANの普及において,重要な役割を果たす

・次世代の携帯電話機で無線LANが導入されれば,大きな成長機会につながる

・特に,高度なトラフィック管理と優先順位付けが必要となる音声/映像のストリーミング・アプリケーションに対する設計では,QoS(Quality of Service)の十分な対応が今後不可欠となる

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