米Dell'Oro Groupは,2003年第4四半期の802.11対応無線LAN市場に関する調査結果を米国時間2月11日,発表した。第4四半期の無線LAN市場は,前期比10%増の5億900万ドル規模に成長した。また2003年通期でみた場合,前年比で16%以上拡大し,18億ドル規模に達した。

 調査は,企業およびSOHO向けアクセス・ポイント/ブリッジ,広帯域接続向けゲートウエイ,NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)を含む無線LAN製品について,市場規模,市場シェア,出荷台数や平均販売価格などを分析したもの。

 Dell'Oro社上級ディレクタのGreg Collins氏によると,「例年,無線LAN市場はホリデー・シーズンに強い伸びをみせる」という。「加えて,SOHO向けインフラとNICの合計売上高が第4四半期に前期比16%成長し,市場をけん引した」(同氏)

 また同氏は,「複数のコンピュータで広帯域接続を共有するために,家庭内ネットワークを構築するユーザーが増えている。また,インターネットが提供するコンテンツやサービスを家庭で共有するために,ゲーム機器や民生電子機器のネットワーク化も進んでいる」と指摘した。

 一方,第4四半期の企業向け分野は,前期と比べ8%落ち込んだ。ちなみに,同分野は過去2四半期連続して前期比約20%の成長をみせていた。Dell'Oro社は,今回の減少を一時的なものとみており,2004年第1四半期にふたたび活況を取り戻すと予測する。

■2003年におけるベンダー上位5社(売上高ベース)
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ベンダー                 前期比成長率
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1. Linksys (Cisco)         +29%
2. D-Link                  +28%
3. Cisco                   -22%
4. NETGEAR                 +35%
5. Buffalo                  -9%
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出典:Dell'Oro社

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