米Microsoftのインターネット事業MSNは,中国のShanghai Alliance Investment(SAIL)とジョイント・ベンチャShanghai MSN Network Communications Technologyを設立し,中国でのインターネット事業MSN Chinaを立ち上げる。Microsoft社が現地時間5月11日に明らかにしたもの。ジョイント・ベンチャは,中国政府の承認を取得済みで,中国でMSNの製品およびサービスを提供する。

 中国では,これまでもMSNのインスタント・メッセージング(IM)サービス「MSN Messenger」や同電子メール・サービス「MSN Hotmail」を使用できたが,MSN Chinaの立ち上げにより,コミュニケーション,情報,コンテンツなどのサービスを統合した包括的なオンライン・ポータルを展開する。「広告主にとっても,世界最大のインターネット市場の1つである中国で,視聴者を獲得できる機会が生じる」(同社)

 さらにMicrosoft社は同日,中国のモバイル向けソフトウエア/サービス・プロバイダTSSXについて,資産の一部を買収する意向を明らかにした。両社は,中国市場をはじめとする世界に向けたMSNのモバイル・サービス「MSN Mobile」の提供について,排他的提携を結ぶ予定。Microsoft社は,中国のシンセンにChina Mobile Development Centerを設立する。

 「中国は,インターネットおよびモバイルの急速な普及と,情熱と才能にあふれた人材があり,MSNにとっては非常に重要な新興市場だ。MSN Chinaは,革新的なオンライン・サービスを提供する上で大きな一歩となる。また,TSSX社の実績と同社開発活動を組み合わせることで,Microsoft社が中国および世界において,最新のモバイル・サービスを提供できるようになる」(Microsoft社MSN事業部門シニア・バイス・プレジデントのDavid Cole氏)

 ちなみに,中国のドメイン名を管理する非営利組織であるChina Internet Network Information Center(CNNIC)によると,中国のインターネット人口は2004年に9400万人に達しており,前年と比べて8%増加した。

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