インドでMSNを運営する米Microsoftのインターネット事業MSN Indiaは,インドの移動体通信事業者であるAirtel社とBPL Mobile社との戦略的提携を現地時間1月13日に発表した。両社サービスの加入者は,携帯電話機のショート・メッセージング・サービス(SMS)機能を通じてMicrosoft社の電子メールとインスタント・メッセージングを利用できるようになる。

 インド国内の20州にサービスを提供するAirtelは,およそ950万人の加入者を抱える。BPL Mobileは,5州のおよそ240万人にサービスを提供している。

 提携により,Airtel社とBPL Mobile社のサービスに加入するHotmailユーザーは,携帯電話機の双方向SMS機能を使って「MSN Hotmail」アカウントに届いた電子メールを受信できるようになる。電子メールの発信者に携帯電話機からSMSで直接返信することも可能。また,携帯電話機からインスタント・メッセージング(IM)ソフト「MSN Messenger」を使ったメッセージの送受信も可能になる。サービスは,有料になるか無料になるかは明らかにされていない。

 MSNは,すでにシンガポール,香港,台湾といったいくつかのアジア市場において移動体通信事業者と同じような提携を行なっている。Microsoft社は,両社へのサービス提供で移動体データ・サービスを手がけるMobile 365社との提携を拡張している。

 インドの電信統制局であるTRAI(Telecom Regulatory Authority of India)によれば,2004年10月の時点で携帯電話ユーザーは4490万人に達しており,固定電話の利用者数を上回っている。アナリストは,安価な利用料と大規模な若者層ユーザーの存在が市場をけん引する重要な要因となっているとしている。

 また,米Gartner Groupは,テキストによる情報,オンデマンドのエンタテイメント・サービス,ゲーム,マーケティングにSMSの利用が増加するため,インドにおける携帯電話の利用者数は増加が続くと予測している。

 米Yahoo!もインドにおいて,Orange社,Hutch社,Airtel社といった携帯電話企業と同じような提携を行なっている。

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