米Microsoftが,同社のインターネット事業MSNで提供する有料広告付き検索サービス「MSN adCenter」を米国時間3月16日に発表した。開催中のMSN Strategic Account Summitでプロトタイプのデモンストレーションを行う。6カ月以内にシンガポールとフランスで試験運用を開始する予定。

 MSN adCenterは,ユーザーの検索内容に合わせた広告を表示し,広告主から料金を徴収するサービス。ユーザーの居住地域/性別/年齢層/ライフスタイルやアクセス時刻など,細かな情報を広告主に提供できる。「(詳しいデータを得ることで)広告主はより戦略的な広告を打ち出せるようになり,広告のクリックから購買につながる割合を高められる」(Microsoft社)

 現在Microsoft社は,MSNでの有料広告検索サービス提供について,米Yahoo!の100%子会社である米Yahoo! Search Marketing Solutions(旧名はOverture Services)と2006年6月までの契約を結んでいる。これについて,Microsoft社は「質の高い検索結果を広告主に提供するため,今後もこの契約を継続させる」と述べる。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,現在の検索市場におけるシェアは,米Googleが35.1%,Yahoo!社が31.8%,MSNが16%という。検索市場のシェアを広告市場にそのまま当てはめ,MSN adCenterスタート後にYahoo! Search Marketing Solutions社への手数料支払いがなくなれば,MSNの検索事業の年間売上高は約16億ドルになるという。

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