米Microsoftのインターネット事業であるMSNは,無線ネット・サービス「MSN Mobile」の提供に関して,米QUALCOMMと提携することを米国時間3月24日に発表した。QUALCOMM社のBREWソフトウエアを利用して,ユーザーが携帯電話からインターネット電子メール「MSN Hotmail」と,インスタント・メッセージング「MSN Messenger」にアクセスできるようにする。

 MSN Hotmailのモバイル版では,ユーザーはオンライン/オフラインで受信箱にアクセスしたり,指定したメールの到着時にアラートで通知を受け取ることができる。また,MSN Messengerのモバイル版では,データ接続を行っていない通話中なども,コンタクト・リストの相手から通知を受け取り,インスタント・メッセージング(IM)を利用できる。

 MSN,Communications Platforms部門担当副社長のBrian Arbogast氏は,「QUALCOMM社との提携により,さまざまな携帯電話機でMSN Mobileサービスを利用できるようになる」と説明する。Microsoft社は,MSN Hotmailのユーザー数を1億7000万人以上,MSN Messengerのユーザー数を1億2000万人と見積もっており,「モバイル事業者は,MSN Mobileを利用可能な携帯電話を提供することで,このユーザー層を引きつけることができる」(同社)。

 現在,携帯電話機メーカー24社がBREWソフトウエアを利用しており,BREW対応機種は120以上にのぼる。BREW対応機種で無線データ・サービスを提供するキャリアには,米Verizon Wireless,米ALLTEL,米Cellular One,KDDIなどがある。

 なお米メディア(CNET News.com)によると,Microsoft社は数年前からモバイル機器向けのソフトウエア開発に力を入れている。同社は,企業ユーザーなどを対象としたハイエンド市場にWindows CEベースの携帯電話であるSmartphoneを投入して勢いを得ている。今回,BREW対応のモバイル・サービスを提供することで,消費者市場の需要を開拓する狙いである。

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