米Openwave Systemsと米Microsoftのインターネット事業MSNは,モバイル・サービス「MSN Mobile」を世界の通信事業者と携帯電話機メーカーに向けて提供する。両社が,フランスのカンヌで開催中の3GSM World Congressにおいて現地時間2月24日に発表した。

 両社は,Openwave社の携帯電話向けソフトウエア・プラットフォーム「Openwave Phone Suite V7」をMSN Mobileソフトウエアに統合する。同ソリューションにより,通信事業者と携帯電話機メーカーは,低コストで新機能とサードパーティ製のアプリケーションを迅速に追加できるようになる。

 Openwave Phone Suite V7は,標準をベースとするミドルウエア・プラットフォーム。GSM方式の携帯電話機向けデータ・サービスを促進するアプリケーション群を提供する。携帯電話機メーカーは,V7を搭載する製品でインターネット電子メール「MSN Hotmail」,インスタント・メッセージング「MSN Messenger」といったMSNのサービスに対応可能になる。無線通信事業者は,これら通信サービスを加入者に迅速に提供できる。

 Openwave社の携帯電話機向けソフトウエアは,世界で5億台を超える携帯電話機に搭載されており,600を超える機種に対応している。MSN Mobileサービスは,現在ハイエンドの携帯電話機の一部で利用可能になっているが,今回の提携により同サービスのユーザー拡大が期待される。

 同スイートは「Openwave Mobile Browser」「Openwave Mobile Messaging Client」のアップグレード版,「Openwave File and Application Manager」,米Real Networksの「RealOne Mobile Player」などで構成する。Microsoft社との提携により,「MSN Hotmail」や「MSN Messenger」といったMSN Mobileソフトも収録される。

 Openwave Phone Suite V7プラットフォームは,3月に提供される予定。

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