米Microsoftは米国時間5月10日に,モバイル向けOSの新版「Windows Mobile 5.0」が製造段階に入った(RTM:Release To Manufacturing)ことを明らかにした。プラットフォームの柔軟性を向上したほか,「Microsoft Office」の強化を図ったという。

 Windows Mobile 5.0はカスタム機能の追加に向けた柔軟性を高めており,「デバイス・メーカーやモバイル事業者はより多くのオプションを提供できるようになる」(Microsoft社)。例えば,push-to-talk機能やビデオ会議機能を追加することが可能。高速第3世代(3G)ネットワークやWi-Fiサポート,既存のBluetoothへの対応強化,ソフトキーの統合,「QWERTY」キーボード対応なども提供する。

 開発者は,「Visual Studio 2005 Beta 2」のツールおよびAPIを使って,位置ベースのサービス,3次元(3D)ゲームなどをより簡単に開発可能。Windows Mobile 5.0には,「SQL Server 2005」のコミュニティ技術プレビュー版(CTP:Community Technology Preview)も組み込んでいるため,企業は重要な情報やアプリケーションをモバイル向けに拡張できる。

 また,モバイル向けMicrosoft Officeの「Excel Mobile」でチャートを作成および閲覧することが可能。「Word Mobile」でグラフィックスを盛り込んだ書類を編集しながら,パソコンで作成した際のフォーマットも維持する。プレゼンテーションを表示する「PowerPoint Mobile」も追加した。

 モバイル向けメディ・アプレーヤ「Windows Media Player 10 Mobile」により,著作権保護されたデジタル音楽およびビデオ,録画テレビ番組などの視聴,パソコンとの同期化,オンライン・サービスからのダウンロード購入などが行える。

 そのほか,ハイエンド・デジタル・カメラで提供しているような高機能の静止画および動画アプリケーションを新たに搭載し,対応するハード・ドライブやUSB 2.0デバイスも拡大した。セキュリティ面では多数の機能を装備し,「米商務省管轄の国立標準技術研究所 (NIST)が規定した情報処理規格『FIPS-140-2』の認定を受けた」(Microsoft社)。

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