米Microsoftは米国時間4月18日に,企業向けインスタント・メッセージング(IM)サーバー「Office Live Communications Server(LCS)2005」をモバイル環境に拡張する計画を発表した。「企業は,パソコンと同様にスマートフォンなどのモバイル機器でも,信頼性の高いIMを導入することができる」(同社)

 Microsoft社は,LCS 2005用の通信クライアント「Office Communicator 2005」のユーザー・インタフェースをベースに,「Windows Mobile」搭載デバイス向けクライアント・ソフトウエアを開発する。モバイル・アプリケーションと企業向けリアルタイム通信ツールを統合することで,情報ワーカーに優れたモバイル・コラボレーション体験を提供するとしている。

 Windows Mobile向けクライアント・ソフトウエアは,2005年後半にベータ版をリリースする。Microsoft社によると,現在,48カ国のメーカー40社とモバイル事業者67社がWindows Mobileを搭載したデバイスを市場に投入している。ユーザーはこれらのデバイスを使って,Wi-FiやGSMおよびCDMAなどさまざまな無線ネットワークを介して,外出先から企業IMシステムにアクセスし,プレゼンス情報を確認できる。同僚や顧客と即座に連絡を取り,より迅速に決断を下すことが可能になる。

 また同社は,LCS関連の開発者支援プログラム「Technology Adopter Program for LCS」で,新たにモバイル開発者向けのAPIも提供する。

 さらに同社は,LCS 2005のモバイル対応に関して,カナダのResearch In Motion(RIM)との提携を同日発表した。RIM社は自社の携帯端末「BlackBerry」で利用可能なLCS 2005用クライアント・ソフトウエアを開発する。9月にトライアルを実施し,年内に利用可能とする。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]