「過去4年間に,米国大学の新入生のあいだでコンピュータ・サイエンスの人気が大幅に低下している」。計算科学に関する研究協会Computing Research Association(CRA)が,カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の調査結果を引用するかたちで発表した。それによると,米国大学で「コンピュータ・サイエンスを専攻する予定」と答えた新入生の割合は,2000年から2004年にかけて60%以上減少し,1980年代初めのピーク時と比べると70%も減っている。

 2004年秋の全新入学生のうち,コンピュータ・サイエンスを専攻する割合は約1.5%。男子学生の専攻予定者が約3%であるのに対し,女子学生は0.5%を下回り,1970年代初頭以来の最低レベルを記録した。

 CRAの調査においても,過去2年間で,コンピュータ・サイエンス専攻予定の入学者は年間7%減少した。「今後,コンピュータ・サイエンスの学位取得者は大幅に減少する可能性がある」(CRA)

 女性の学位取得についてみると,「農業科学」や「自然科学」など,コンピュータ・サイエンス以外の分野の大半は,女性の学位取得者の割合が増えているのに対し,コンピュータ・サイエンスは1980年代後半に30%を切って以来,低水準のまま推移している。

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