米Forgent Networksは,同社の100%子会社である米Compression Labsが米Microsoftを特許侵害でテキサス州東地区マーシャル連邦地裁に提訴したことを,米国時間4月21日に明らかにした。同社の静止画像圧縮技術に関する米国特許が侵害されたと主張している。

 Compression Labs社が問題としているのは,米国特許番号4,698,672('672特許)。タイトルは「Coding system for reducing redundancy」。1986年10月27日に申請し、1987年10月6日に成立した。46件のクレームからなる。デジタル静止画を圧縮、保存、操作、印刷、転送する際に使う技術であり、デジタル・カメラのほかPDA/携帯電話機/プリンタ/スキャナなどにも関係するという。

 なおMicrosoft社は,4月15日にカリフォルニア北部地区連邦地方裁判所でForgent社に対する訴訟を起こしている。Microsoft社は特許を侵害していないとし,特許の無効性を主張している。

 Forgent社会長兼CEOのRichard Snyder氏は,「当社は勝訴を信じている。672特許は有効であり,Microsoft社はこれを侵害しているからだ」と述べた。同氏によれば,Forgent社はMicrosoft社から同特許ライセンス取得の打診を受けたという。しかしMicrosoft社が訴訟を起こしたため,「当社も提訴に踏み切るほかなかった」(同氏)。

 Forgent社は2004年4月に31社を相手取って同様の特許侵害訴訟を起こし,続いて8月にも11社を訴えている。同社はこれまでアジア,欧州,米国の企業35社以上とライセンス契約を結んでおり,ライセンス収入は1億ドル以上にのぼるという。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,ソニー,ニコン,米Adobe Systems,韓国のSamsungなどが,Forgent社にライセンス料を支払っている。

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