米Forgent Networksの100%子会社である米Compression Labsは,静止画像の圧縮技術に関する米国特許が侵害されたとして31社の企業をテキサス州東地区地方裁判所に提訴した。Forgent社が米国時間4月22日に明らかにしたもの。

 問題とする特許は,米国特許番号4,698,672('672特許)。タイトルは「Coding system for reducing redundancy」。1986年10月27日に申請し,1987年10月6日に成立した。46件のクレームからなる。デジタル静止画を圧縮,保存,操作,印刷,転送する際に使う技術であり,デジタル・カメラのほかPDA/携帯電話機/プリンタ/スキャナなどにも関係するという。

 Forgent社は,「提訴した企業に対してこれまで何度もライセンス締結を提案してきたが,同日時点で応じた企業は1社もなかった」としている。Compression Labs社が訴えた企業は以下の通り。

 米Adobe Systems,ベルギーAgfa-Gevaert,米Apple,スウェーデンAxis Communications,キヤノンの米国法人Canon USA社,米Concord Camera,シンガポールCreative Labs,米Dell,米Eastman Kodak,富士フイルムの米国法人Fuji Photo Film Co U.S.A社,富士通の米国法人Fujitsu Computer Products of America,米Gateway,米Hewlett-Packard,米IBM,米JASC Software,日本ビクターの米国法人JVC Americas社,京セラの米国法人Kyocera Wireless社,米Macromedia,松下電器産業の米国法人Matsushita Electric Corporation of America社,米Oce North America,オンキヨー,米PalmOne,松下の米国法人Panasonic Communications Corporation of America,松下の米国法人Panasonic Mobile Communications Development Corporation of USA,リコー,米Riverdeep,米Savin,フランスThomson,東芝,米Xerox。

 「これまでアジア/欧州/米国の企業30社が'672特許のライセンスを取得しており,当社はこの2年で約9000万ドルのライセンス料を得た」(Forgent社)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,'672特許はJPEGの基盤となる技術であるという。Forgent社は2002年7月以降,同特許によるロイヤルティ事業を積極的に進めており,2003年2月にはソニーの米国法人が1600万ドルのライセンス契約を結んでいる。

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