米IBMは米国時間3月30日に,ストレージの仮想化技術に関するロードマップを明らかにした。ストレージ・システム「TotalStorage DS8000」に新たな論理分割(LPAR)機能を追加する。

 新たなLPARでは,「個別のサブシステムのセキュリティを強化しつつ,ストレージ規模拡大のコストをおさえることが可能」(IBM社)。ストレージ・システムのLPAR内でアプリケーションを動作させることで,より迅速なバックアップと復旧を実現できるとしている。米メディアの報道(InformationWeek)によると,新機能の実装は年内を予定している。

 また同社は,「SAN File System」ストレージ管理システムの強化も図る。ストレージ・プール内の非中断的ファイル移動に対応したテープ・サポートを追加することにより,情報ライフサイクル管理の効率化を目指す。

 さらに同社は,米Cisco Systemsとストレージの仮想化に関する提携を結んだことを同日発表した。IBM社の仮想化技術「Virtualization Engine」を採用する顧客企業としては,「Cisco社が1000社目となる」(IBM社)。

 Cisco社は,IBM社の仮想化ソフトウエアを自社のマルチレーヤ・ディレクタ「MDS 9500 Series」に取り入れる。これにより,ストレージ・プールや各種SANファブリックをより効率的に管理できるようになる。

◎関連記事
米IBM,ストレージ管理ソフトウエアの新版4製品を発表
米IBM,情報ライフサイクル管理支援に向けストレージ関連製品を発表
米IBMが米EMC製品に対応のストレージ仮想化ソフト発表,日立と米HP製品も利用可能
ストレージ仮想化技術で遅れをとるEMC
「仮想化するのは2年後に3割」、米IBMの仮想化担当VPが語る
「仮想化+サーバー統合で投資効果は高まる」と米HP幹部
米AMDと米XenSource,オープンソースの仮想化エンジン「Xen」をAMD64に移植
米VMware,4ウエイ・システムを1台の仮想マシンにするソフトを発表

[発表資料へ]