米IBMが,アンチ・スパム・ソフトウエア「Fair use of Unsolicited Commercial Email(FairUCE)」を米国時間3月22日に発表した。現在ドイツを除く世界各地で利用可能となっている。IBM社のWebサイトから無料でダウンロードできる。
FairUCEは同社が開発したソフトウエアで,電子メール送信元のIPアドレスを解析してスパムのフィルタリングを行う。送信元コンピュータのIPアドレスは変化しないので,送信元がゾンビやボットなどの不正なコンピュータなのか,それとも正当な電子メール・サーバーなのかを判定すれば,電子メールの正当性を確かめられるという。
「現在のスパム・フィルタは,電子メールがネットワークに届いてから1つ1つ内容をスキャンしてスパムかどうかを判断する。そのため,ITシステムにかかる負荷が重く,多くのネットワーク帯域幅を消費してしまう。FairUCEは,ネットワークに影響が及ぶ前にスパム判定を行える」(同社)
対応OSはLinux。Java 1.4以上とPostfix 2.1以上の環境が必要。
米メディアの報道(TechWeb)によると,IBM社研究者でFairUCEを開発したMathew Nelson氏は「FairUCEがスパムの約8割にあたるゾンビからの電子メールをすべて正しく判定できた」と述べたという。
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