米Wireless Servicesは,携帯電話に送られるスパム(モバイル・スパム)に関する調査結果を米国時間2月28日に発表した。それによると,現在米国では,携帯電話でやりとりするテキスト・メッセージの43%をスパムが占めており,1年前の18%と比べて大きく増加している。

 「パソコンにしろ携帯電話にしろ,スパムを受け取るのは腹立たしいものだが,モバイル・スパムの場合,受信したメッセージに対して料金を支払わなければならない。さらに悪いことに,一部のスパマーは,受信者に高額な通話や機器の設定変更を促して策略にはめようとする」(Wireless Services社会長兼CEOのRich Begert氏)

 モバイル・スパム撲滅の取り組みは,いくつかの課題に直面している。Begert氏は「スパム対策の法規制は“死に体”といってよい。スパマーは米国の法律が及ばない海外で活動を開始しているからだ」と指摘する。「また,電子メールを対象とするアンチ・スパム企業は,適切な解決策を打ち出すほど,無線ネットワークを十分に把握していない」(同氏)

 スイスのザンクト・ガレン大学が最近発表した調査によれば,ほとんどのモバイル・ユーザーはスパムのの責任を通信プロバイダに追及し,最終的にプロバイダを切替える傾向にある。このため,「モバイル・スパムの対策を持たない通信業者は,顧客を失うリスクがある」(同大学)。

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