XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーは,Webサービス技術をベースとする分散リソース管理手法「Web Services Distributed Management(WSDM)」をOASIS標準(OASIS Standard)として認定した。OASISが米国時間3月9日に明らかにした。

 WSDMは,Webサービスを利用した管理アプリケーションの構築を可能にするもの。リソースは,単一のインタフェースを通じて多数の管理者によってコントロールできるようになる。

 米GartnerのCameron Haight氏は,「企業は長年に渡り,ビジネス・システムの管理の複雑さと格闘してきた。もっとも大きな問題のひとつは,企業が多種多様な製品を使っていることが要因となっている。この典型的な問題に対処するために,コア・インフラのコンポーネントのプロバイダが集まり,管理者と異なるプロトコル間にWSDMと呼ばれる統合レイヤーを作成した」と説明している。

 WSDMは,「Management Using Web Services(MUWS)」と「Management Of Web Services(MOWS)」の2つの仕様で構成される。

 WSDM MUWSは,Webサービスを利用して管理を行なうための仕様。Webサービスとしてリソースの管理インタフェースにアクセスする方法を定義する。リソースの識別,測定基準,設定,関連といった管理可能性の機能の基本的なセットを定義する。また,相互運用性と相関関係を向上させるために標準となる管理イベント形式を提供する。

 WSDM MOWSは,Webサービスをリソースとして管理する方法を定義。管理可能なWebサービス・アプリケーション同士が企業や組織の境界を越えて相互運用できる仕組みと手法を提供する。

 分散リソースを管理するWebサービス・アーキテクチャの策定には,米BEA Systems,米BMC Software,米Computer Associates,米Dell,富士通,米Hewlett-Packard,日立製作所,米IBM,米Novell,米Sun Microsystems,米webMethodsなどが参加した。

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