XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーは,Webサービス技術ベースの分散リソース管理手法を検討する技術委員会「OASIS Web Services Distributed Management(WSDM)Technical Committee(TC)」を発足させた。OASISが米国時間3月10日に明らかにしたもの。

 分散サービスを効率よく管理する手法の必要性について,米NovellのWinston Bumpus氏(同氏はWSDM TC共同議長に就任)は,「企業全体に関わるWebサービスの導入が増えるにつれ,包括的なサービス指向アーキテクチャを付加するには,こうした管理手段が欠かせなくなる」と説明する。「当技術委員会は,この分野における開発中の各種業界標準と協調することで,サービスをどう管理すべきかを定義する作業において重要な役割を担うだろう」(同氏)

 また米IBMのHeather Kreger氏(同氏はWSDM TC共同議長に就任)は,「我々の活動は,Webサービスを使用するビジネス・インテグレータ,管理システム・ベンダー,Webサービス・プラットフォーム・ベンダーにとって,すぐに重要なものとなる」と述べる。「さらに,プロビジョニング,管理,グリッド,オンデマンド・コンピューティング関連の企業/政府機関/大学が手がける作業に対し,(成果を)適用できる」(同氏)

 WSDM TCは,World Wide Web Consortium(W3C)のWeb Services Architecture Working Group,Distributed Management Task Force(DMTF)のほか,OASISのセキュリティおよびWebサービス関連検討グループと密に協力して検討を行うとしている。

 なお,技術委員会の主な設立メンバー企業は以下の通り。米BMC Software,米Computer Associates,米Hewlett-Packard,日立製作所,IBM社,Novell社,米Sun Microsystems,米webMethods。

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