XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーが,分散ディレクトリ・サービスやデータ共有のリソース識別に向けた標準仕様を検討する技術委員会「OASIS Extensible Resource Identifier(XRI)Technical Committee(TC)」を発足させた。OASISが米国時間1月8日に明らかにしたもの。

 XRI TCは,分散ディレクトリ・サービスなどで利用できるUniform Resource Identifier(URI)スキーマとUniform Resource Namespace(URN)を定義する。さらに,XRIの解釈や,XRIで特定されたリソースとのデータおよびメタデータの交換を行うための基本的な手順も規定するという。「あらゆるドメイン,アプリケーション,転送プロトコルにまたがって使用可能な共通リソース識別スキーマを開発する」(XRI TC)

 現在のURIの問題について,XNS Public Trust Organization代表兼マネージング・ディレクタのBill Washburn氏は,「URIはWWWアーキテクチャを支える3本柱の一つではあるが,ほとんどのURIスキーマはXMLおよびWebサービス時代より前に開発された」と指摘する。

 「XRIの文法は,現在使われているDNSとIPによるアドレス特定方式を完全に統合することになるだろう。その上,別のファイル・サーバーに保存されている同じファイルや別の会計システムに保存されている同じインボイスなど,物理的に異なる場所に存在する論理的に同一のリソースを特定できるようになる」(米OneNameのDrummond Reed氏,同氏はXRI TCの共同委員長に就任)

 またOASISでは,「XRIでは人間と機械の双方が読めるよう識別子を最適化し,XMLと同様の方式で国際化する」と説明する。

 XRIの策定作業に対し協力を表明した主な企業は以下の通り。米Advanced Micro Devices(AMD),米DataPower,米EDS,米Novell,米Neustar,米NRI Pacific,OneName社,米Visa International。

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