XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーは,ネットワーク経由でデータを共有/連結/同期するための標準仕様を検討する技術委員会「OASIS XRI Data Interchange Technical Committee(XDI TC)」を発足させた。OASISが米国時間2月4日に明らかにしたもの。同仕様を利用すると,XDI文書の交換を自動化でき,共有したデータの許可/セキュリティ/プライバシ/権利をXDIリンクとして表現できるようになる。

 XDIは,URIと互換性のあるリソース識別スキーマExtensible Resource Identifiers(XRI)とXMLをベースとする。分散アプリケーション間や信頼関係にあるドメインのあいだにおける,相互接続とデータ自動交換の問題解決を図る。OASISでは,以下に示す用途を想定している。

・分散ディレクトリ環境下での,電子名刺や公開鍵など一般的な身元情報の交換/連結/ライフタイム同期

・インターネット経由のスケジュール帳共有

・信頼関係にあるWWWサイト間の検索

・デスクトップ/ノート・パソコン,PDA,携帯電話機など複数の機器間で行う自動設定や高度なデータ同期

・WWWサイトでの登録/フォーム入力/電子商取引の自動化

・複数ドメインにまたがるセキュリティ/プライバシ管理

 同TCの目標について,Cordance社のDrummond Reed氏(同氏はXDI TC共同主催者でもある)は「WWWがオープンなコンテンツ共有で行っているのと同じことを,制御下にあるデータ共有で実現する」と説明する。「XDIは,何らかのアプリケーションやWebサービス向けに設計されたXMLボキャブラリを置き換えるものではない。むしろ,あらゆるXML言語やスキーマで表現されたXML文書を識別/記述/交換/連結/同期できる標準的な手段を提供することで,こうしたXMLベースの仕様を強化することになる。これら全部のデータを1つの総合的な“データウェブ”にまとめるつもりだ」(同氏)

 XDI TCの主なメンバー企業は以下の通り。米AMD,インドAmSoft Systems India,米Booz Allen Hamilton,Cordance社,米Epok,米Neustar,野村総合研究所(NRI)。

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