米Access Markets International(AMI)Partnersは,インドの中小企業(SMB)向けプリンタ市場に関する調査結果を米国時間3月5日に発表した。それによると,2004年におけるインド中小企業のプリンタ支出額は3億ドルを超えており,今後5年間は年平均成長率が22%を超える見込みだ。

 インドでは,低価格プリンタの利用増加と,統合型印刷機器の普及が,中小企業の大幅なコスト削減につながっている。現在の主流はインクジェット・プリンタとドット・プリンタだが,多くの中小企業がカラー・プリンタを導入しつつある。現在,インドの中小企業の26%がカラー・レーザー・プリンタを導入済みだ。

 2004年のプリンタ支出額の内訳は,小規模企業が2億8500万ドル,中規模企業が3200万ドル。ちなみにパソコン関連の小規模企業の65%以上は,過去12カ月間の年商が増加しており,そのうち約25%は,10%以上の成長をみせたという。

  AMI-Partners社アナリストのPartha Sengupta氏は「インドの小規模企業は,今後12カ月のプリンタ出荷台数に大きな影響をおよぼすだろう」と述べる。「エントリ・レベルのレーザー・プリンタ価格が大幅に下がっており,これが価格に敏感な小規模企業を引き付ける可能性がある」(同氏)
 
 中規模企業で最も普及しているのはドット・マトリクス・プリンタ(普及率71%)で,インクジェット・プリンタ(同70%)がこれに続く。また,カラー・レーザー・プリンタの普及率は26%,モノクロ・レーザー・プリンタは21%となっている。

 ちなみに,インドの中小企業向けプリンタ市場は米Hewlett-Packard(HP)がリードしており,中規模企業では72%,小規模企業では51%の市場シェアを獲得している。

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