米Infonetics Researchが,VoIP機器の世界市場について調査した結果を,英国時間2月23日に発表した。それによると,2004年の同市場は前年比36%増の17億1000万ドル規模だった。2008年まで年平均36%で成長し,59億ドル規模に達する見込み。
同社アナリストのKevin Mitchellによると,堅調なVoIP機器市場を反映して,VoIPサービス市場も成長した。2004年における北米のVoIP利用者数は,家庭ユーザーとSOHOを合わせると110万人に達した。ちなみに,その約半数はCATV統括運営会社(MSO)の加入者。同氏は,2008年までにVoIP利用者数が1740万人に急増するとみる。
また同氏は,「2004年は北米のキャリアが率先してVoIPを導入したが,2005年は欧州でVoIPへの移行が進むだろう」と予測する。「IPネットワークが,あらゆる通信手段で利用される次世代ネットワークであることは明らかだ。ほとんどのキャリアがVoIPを導入済みか,導入を検討中だ」(同氏)
2004年におけるVoIP市場の主な動きは以下の通り。
・2004年第4四半期のメディア・サーバーと音声アプリケーション・サーバー分野は,前年同期と比べ大幅に成長した
・2004年のソフト・スイッチの総売上高のうち,クラス5のソフト・スイッチが半分以上を占めた
・メディア・ゲートウエイ市場は細分化している。2004年に同市場をリードしたのはシェア16%を獲得した米Sonus Networks。米Cisco Systemsがそれに続いた
・カナダのNortel Networksが,2004年のソフト・スイッチ市場で首位に立った。クラス4および5の分野で1位となった
・2004年のVoIP市場を地域別にみると,北米のシェアが48%,EMEA(欧州,中東,アフリカ)が19%,アジア太平洋地域28%, CALA(カリブ海地域および南米)が5%
同社によると,プロバイダは今後もコスト削減と収益性向上のために,VoIPによるデータ/音声の統合を進める見通しだ。「VoIP機器市場の成長はますます加速するだろう」(同社)
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